いかすみのひとり言

興味ある事、気になる事の防忘録 450×253

井手浦の尻振り祭

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その昔、出雲の国(現在の島根県)で八岐大蛇(ヤマタノオロチ)が大暴れして、その地域の人々と供に須戔鳴尊(すさのおのみこと)が退治したとき、尻尾が平尾台の麓の井手浦まで飛んできて、その年は10数年ぶりの大豊作になったという伝説に因んでいます。この祭りは、1600年代に始まったと伝えられています。
 以前は、井手浦の老若男女が総出で祭行事に参加していましたが、現在では「井手浦 尻振り祭保存会」が伝統行事を引き継いでいます。
 春の農作業を始める1月8日、井手浦公民館前の広場には、ワラで作った4mを超える大蛇が、二本の松の木に掲げられます。その大蛇の前に祭壇を設け、宮司と保存会二人の計三人が、弓矢や弊などをお尻に当て、海・山・川の掛け声にあわせ左右に大きく振ります。お尻を大きく振るほど大豊作になるといわれているため、「もっと振れ、もっと振れ!」と賑わいます。その後、宮司が大蛇を三本の矢で射とめ、太刀で3ヶ所斬るしぐさをして、大蛇退治は終わります。
お尻を振るということはもちろん珍しいのですが、神様ではなく神様に退治された蛇を模した動作をするお祭りという意味でもこのお祭りは珍しいのではないでしょうか。

井手浦の尻ふり祭 2012年